1700年代後期から1800年代前期に南仏で作陶された、Encrier アンクリエ(インク壺)です。白いぽってりとした釉薬のかかった白釉の器は南仏Moustiers-ムスティエ焼きに代表されるように、今も昔も本国フランスは勿論の事、世界中にコレクターの多い焼き物の一つです。
これまでアンティーク本でしか見た事のなかったアンクリエですが、その多くが絵付けされている中での無地。加えてΦ14cmの大きさから、出所であるファミリーの財力や暮らし振りがそれ相当であった事が想像出来ます。勿論、オブジェとしての存在感も中々です。
現代においてはインク壺として使う事はそうそう無いかと思います。視点を変えて、お水を入れて花器としてのアレンジはいかがでしょう。重さが700gとしっかり目なので器としての安定感があります。
象の耳みたいな把っ手の片側に修復跡があります(添付写真17枚目参照)。把っ手の内側を覗き込むとうっすらとラインが見えますが、パッと見には修復有無は分からない状態です。目を凝らして見ると、おもて面の色合いが修復によってややダークな仕上がりなっているのが分かります。また釉薬が青みがかった白の為、全体的に淡いブルーグリーンのような色味に見えます。
◎size Φ14cm、横幅(把っ手込)20.5cm、高さ9cm、底径13.5cm
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白釉の器における×印の有無についてですが、18世紀の古い時代のムスティエ焼きには×印が付いているモノとそうでないモノが混在し、19世紀以降作陶には殆ど付いていると現地のディーラーさんは言います。よって×印の有無に関わらず、白釉の器はムスティエ焼きと称されます。
この事は、南仏ムスティエ=サント=マリー村の「Musée de la FAÏENCE(博物館)」を訪問した際に、同様の話しを副館長さんから聞きました。しかし私自身、これまで沢山の白釉の器を手にしてきた経験値から印の有無について納得はしていますが、正直色々見聞きしているうちに困惑するシーンも多々あり、この機会にMyルールを決めました。
弊オンラインストアとしては、×印があるモノについてはタイトルや説明文に明確に"Moustiers-ムスティエ"と記します。しかし、印の無いモノについては”白釉"とだけ記すことにしました。19世紀以降に普及したスタンプが裏面に付いていれば、その印通りの記載を行います。